SDGsの構造
17のゴールは、①貧困や飢餓、教育など未だに解決を見ない社会面の開発アジェンダ、②エネルギーや資源の有効活用、働き方の改善、不平等の解消などすべての国が持続可能な形で経済成長を目指す経済アジェンダ、そして③地球環境や気候変動など地球規模で取り組むべき環境アジェンダといった世界が直面する課題を網羅的に示しています。SDGsは、これら社会、経済、環境の3側面から捉えることのできる17のゴールを、統合的に解決しながら持続可能なよりよい未来を築くことを目標としています。
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標です。2015年の国連サミットにおいて全ての加盟国が合意した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で掲げられました。2030年を達成年限とし、17のゴールと169のターゲットから構成されています。
17のゴールは、①貧困や飢餓、教育など未だに解決を見ない社会面の開発アジェンダ、②エネルギーや資源の有効活用、働き方の改善、不平等の解消などすべての国が持続可能な形で経済成長を目指す経済アジェンダ、そして③地球環境や気候変動など地球規模で取り組むべき環境アジェンダといった世界が直面する課題を網羅的に示しています。SDGsは、これら社会、経済、環境の3側面から捉えることのできる17のゴールを、統合的に解決しながら持続可能なよりよい未来を築くことを目標としています。
我が国は脆弱な立場にある一人一人に焦点を当てる「人間の安全保障」の考え方を国際社会で長年主導してきました。「誰一人取り残さない」というSDGsの理念は、こうした考え方とも一致するものです。
前身のMDGs(Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標)は主として開発途上国向けの目標でしたが、SDGsは、先進国も含め、全ての国が取り組むべき普遍的(ユニバーサル)な目標となっています。しかしながら、これらの目標は、各国政府による取組だけでは達成が困難です。企業や地方自治体、アカデミアや市民社会、そして一人ひとりに至るまで、すべてのひとの行動が求められている点がSDGsの大きな特徴です。 まさにSDGs達成のカギは、一人ひとりの行動に委ねられているのです。
2019年9月に開催された「SDGサミット」で、グテーレス国連事務総長は、「取組は進展したが、達成状況には偏りや遅れがあり、あるべき姿からはほど遠く、今、取組を拡大・加速しなければならない。2030年までをSDGs達成に向けた『行動の10年』とする必要がある」とSDGsの進捗に危機感を表明しました。 2020年、新型コロナウイルス感染症が瞬く間に地球規模で拡大したことからも明らかなように、グローバル化が進んだ現代においては、国境を越えて影響を及ぼす課題に、より一層、国際社会が団結して取り組む必要があります。 SDGs達成に向けた道のりは決して明るいものではありません。だからこそ、「行動の10年」に突入した今、私たち一人ひとりにできることをしっかりと考え、一歩踏み出す姿勢が求められています。
弊社、東宝ホームは大型再開発事業の『みんなの未来区BONJONO』で、“未来を見据えた街区設計”を行っています。このシティガーデンシリーズを提供していく上でのSDGsへの取組実例をご紹介します。
目標1 [貧困]
あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる
目標2 [飢餓]
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する
目標3 [保健]
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標4 [教育]
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
目標5 [ジェンダー]
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児のエンパワーメントを行う
目標6 [水・衛生]
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標7 [エネルギー]
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
目標8 [経済成長と雇用]
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標9 [インフラ、産業化、イノベーション]
強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
目標10[不平等]
国内及び各国家間の不平等を是正する
目標11[持続可能な都市]
包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標12[ 持続可能な消費と生産]
持続可能な消費生産形態を確保する
目標13[気候変動]
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標14[海洋資源]
持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標15[陸上資源]
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
目標16[平和]
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
目標17[実施手段]
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
日本政府は2018年から「SDGs未来都市」を選定しています。これは、SDGsを原動力とした地方創生を推進するため、優れたSDGsの取組を提案する都市·地域を新しい時代の流れを踏まえ選定するものです。その中でも特に先導的な取組を「自治体SDGsモデル事業」として選定し、資金面での支援を行うことなどによりモデル事例を形成しています。2020年までに、すでに全国各地の93都市が選定され、地方におけるSDGsに資する取組を推進しています。。
2019年9月、ニューヨークの国連本部において、首脳レベルでSDGsについて過去4年間の取組のフォローアップを行い、SDGs達成に向けた機運を高めることを目的とした「SDGサミット」が2015年のSDGs採択以降初めて開催されました。安倍総理は、2019年に日本が初めて議長国を務めたG20大阪サミットや、TICAD7において、環境、教育、保健、質の高いインフラ投資等の取組を議長として主導したことを共有した上で、「SDGs推進本部」の本部長として、次のSDGサミットまでに、民間企業の取組や地方創生の取組など国内外における取組を加速させる決意を表明しました。グテーレス国連事務総長は、SDGsの進歩に危機感を表明し、国際社会は協力して取組を加速化していくことで一致しました
人間の安全保障とは、人間一人一人を保護するとともに、自ら課題を解決できるよう能力強化を図り、個人が持つ豊かな可能性を実現できる社会づくりを進める考え方です。国連総会決議(2012年)において、人間の安全保障は、「人間中心の、包括的で、文脈に応じた、予防的な対応を求める」ものとされていますが、これは「人間中心」、「誰一人取り残さない」を基本理念とし、経済・社会・環境への統合的取組を掲げるSDGsと親和性を有しています。日本政府は、「人間の安全保障アプローチ」と呼ばれる視点から支援を実施し、1999年に国連人間の安全保障基金の設立を主導しました。同基金を通じ2019年末時点で、99の国・地域で257件のプロジェクトを実施しており、これまでに日本は累計約4.3億ドルを拠出しています。また、同基金を通じ「2030アジェンダのローカル化フォーラム」の開催なども支援しています。